■思いつきで付けた名字もある?
日本の名字の由来に関して、言語学者は、天皇、宗教、地方の特徴などが関係していると見ている。古代、氏族社会の時代、地域や職業を特色を表す「氏(うじ)」があり、その後日本を統一した大和朝廷が氏姓制度(しせいせいど)を導入し、「氏」が支配階級の構成単位となった。平安時代になると、貴族や武士では、血縁集団を区別するための氏(ウジ)とは別に、家族集団を区別するために家名ないし名字を名乗るようになり、それが一般的に通用するようになる。日本の古代の四大姓氏とされる「源」、「平」、「藤原」「橘」のうち、「橘」以外はいずれも、天皇から恩賞として授けられたものだ。一方、日本の天皇には姓氏がない。その理由は、天皇は神性を備えており、どの氏族にも所属しない天の人と考えられているからだ。封建時代、貴族や武士、商人だけが「姓」を名乗った。日本人が「名字」と「名前」を持つようになったのは、明治維新以降で、明治政府は1875年、「平民苗字必称義務令」を公布し、全ての国民について名字の公称が義務づけられた。その時、多くの日本人がどんな姓を名乗ればよいのか分からず、とっさに思いついたものを名字として採用したため、珍しい名字が数多く存在するようになったと言われている。
ある日本の文化学者は、「『家族』という概念を重視する日本人は、新たな家業の開創や家族内部の関係、外部の地位の変化などを姓氏によって表そうとした。そのため、『姓』を受け継ぐという前提の下、名字が絶えず変化し、今日のように多くの名字が存在するようになった」と指摘している。
「人民網日本語版」
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