◇勇敢さはある種の教養
運動会はちょうど九州地方が梅雨に入る時期にあたり、天気は曇りのち雨の予報だったが、学校側は運動会を予定通り開催した。運動会が始まって間もなく、雨はどんどん大きくなり、子どもたちはみんなびしょぬれで体操着は泥だらけになった。それでも、運動会は進行し、応援に来た保護者もその様子を見守り、子どものもとに駆けつけ、濡れた身体を拭いたり、傘を差したりする親はいなかった。リレー中に1年生の生徒がつまづいて水溜りで転び、全身びしょぬれになってしまったが、彼はすぐに立ち上がり、走り続けた。先生に、生徒たちが風邪をひかないか心配ではないかと聞いたところ、「勇気のある子どもを育てることは学校の教育理念である」と教えてくれた。