朝市には村に住む老人たち以外に、旅館の料理人の姿もあった。もちろん、筆者たちのような観光客も少なくない。他の地域からやって来た日本の庶民は、ここで休日を過ごすのが大好きだ。下駄を鳴らしながら朝市を眺めるこれら観光客は、もう何日もここに宿泊しているように見えた。
物を売り、物を買う声が賑やかな朝市。朝の雨に濡れながら、傘を差して歩いていると、たとえ物を買わなくても気持ちの良い朝に感じられた。