靴箱に覚醒剤を隠し中国全土に郵送する組織摘発
2011年11月中旬、広州警察は、ある物流会社から、「劉勤」という名前で遼寧省瀋陽市と河北省秦皇島に送られる靴の箱2口から、合成覚醒剤・アンフェタミン約200グラムを発見したという通報を受けた。
その後、警察は、「劉勤」という偽名を使っていた任容疑者を筆頭とする、物流業者を利用して覚醒剤を密売するグループを突き止め、摘発した。同グループは電話やインターネットを通じて購入者と連絡を取り、物流業者を通して違法薬物の入った小包を速達で郵送していた。購入者は小包を受け取った後、銀行のカードなどを利用して、代金を指定の口座に振り込んでいた。同グループは物流業者を利用して、中国全土の14省、34都市の購入者に違法薬物を郵送していた。
広州で死体を郵送する事件が3件発生
王局長によると、近年、物流業者を通して中国国内外から違法薬物を郵送し、密輸売買する手口が日に日に増加している。昨年1年でも、公安機関は広州白雲国際空港で、中国全土に郵送される予定だった小包230個から、違法薬物を発見した。また、同年、同空港の税関も、違法薬物が入った国際スピード郵便の小包55個を没収した。物流業者を通して郵送される物は、違法薬物に留まらず、事件の被害者の死体や拳銃、爆弾、偽造通貨など、多岐にわたっている。
広州市を例にすると、容疑者が被害者を殺害した後、物流業者を通して死体を中国のさまざまな場所に送ったという事件が3件発生している。王局長によると、「この3件の事件のうち、2件の容疑者は物流会社で働いた経験があり、同業界の管理には抜け穴があることを知っており、そこをついていた」という。
物流業者では、「実名制度」が採用されておらず、検査も行われていないという抜け穴が、各種犯罪やテロなどに悪用されており、改革や監督、管理の強化が急務だ。
王局長は、「同省の禁毒委員会などの関連の部門は、長期にわたる調査や研究、論証を経て、今年下半期より、物流業者の郵便物に実名制を試験的に導入することを検討している」ことを明らかにした。昨年1年間、同省の物流業者から郵送された郵送物は12億5千万個以上で、大きな産業となっている。
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