中国では、我々は定時に出退勤するが、I株式会社では必ず10分早く出勤、10分遅く退勤しなければならない。この10分間で、我々はさまざまな儀式を行う必要がある。朝礼を行い、退勤では訓示を聞く。社歌をうたい、社訓を唱える。朝礼の内容は一般的に一斉に会社の経営理念を唱えるか、あるいは社員が日ごろ感じたことや仕事の反省点、抱負などを話す。その後社歌を歌う。社歌を歌う際には気分を高揚させる必要がある。これらの儀式が終わっても、新鮮な出来事はまだ続く。「ガンバロー!ガンバロー!ガンバロー!」というスローガンだ。退勤の訓示は一般的に社訓を唱える。社訓を唱える際には厳粛な態度で雑念を取り払わなければならない。その後、心の中で自分の失敗を反省する。日本人は、これが全社員の魂を一つにする唯一の方法だと深く信じている。
日本企業にはこれらの「洗脳」手段のほか、入社式、生産現場懇談会、社員の写真、各自の決心の文字が貼るパネルを設けている。I株式会社在職中、我々は幾度か「会社に誓い、業務に誓い、人格に誓い」「不合格品生産ゼロを保証します」などの決心を述べた。それらは「懇談」される。談話の内容は「自分の過ちを他人のせいにしない」「安全は社員に幸福をもたらす」などだ。さらに、これらの内容ではまだ不十分と感じた場合、会社は「企業経営顧問」という名の「洗脳組織」を社外から招き、企業の「ソフト面」について全面的な「拡張」と「診断」を行う。
I株式会社で働いた数年間で、日本の企業文化の奥深さも深く感じた。彼らは「和をもって貴しとなす」の「和」を唱え、「一日作さざれば一日食らわず」の「勤」を崇め、「個人で失敗したとしても、チームの勝利をつかむ」の「忠」を提唱する。「和」「勤」「忠」は日本企業のひとつの非常に抜きん出た特徴である。もしかすると、日本が敗戦国から経済大国への飛躍を実現できたのは、こうした特徴を備えていたからかもしれない。
「人民網日本語版」
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