朝鮮戦争を忘却してはならないのは、間違った場所で勃発したからだ。第2次大戦終結から間もなく、欧州で冷戦が始まった。米ソは共に欧州に戦略の重心を置き、積極的に戦争に備え、一挙に勝敗を決する構えを呈していた。第2次大戦後初の局地戦争がアジアで勃発するとは誰も予想していなかった。実際のところ、朝鮮問題は米ソが勢力範囲の線引きをしたことでもたらされたものであり、冷戦の産物でもある。1945年8月、ソ連が極東で強大な勢力を誇り、朝鮮半島を単独占領する勢いにあるのを目の当たりにした米国は、北緯38度線を境界とし、以北の日本軍はソ連軍に、以南の日本軍は米軍に降伏することを提案。朝鮮は「38度線」によって分断された。その後数年間の準備を経て、北南双方共に相手を平らげ、祖国統一を実現する能力があると考えるにいたった。したがって朝鮮戦争は第1に内戦であり、間違った判断に基づき引き起こされた戦火だったのだ。
朝鮮戦争を忘却してはならないのは、誤った戦略判断により勃発したからだ。多くの局地戦争は誤解や誤った判断によって衝突が引き起こされ、戦争にエスカレートし、さらに外部勢力が介入するという経過をたどる。朝鮮戦争もそうだった。新中国の成立によってソ連を頭とする社会主義陣営は強大化した。米国は第2次大戦の政治、軍事、経済的大勝者として「世界をリード」し、いわゆる共産主義の拡張を抑え込もうと野心満々だった。朝鮮戦争の勃発は米国に戦略的抱負を発揮する好機を提供した。戦争の火蓋が切られるや米国は国連の名で軍事介入したうえ、第7艦隊を台湾海峡に派遣した。朝鮮侵略米国空軍は中国の領土を爆撃掃射し、戦火を鴨緑江にまで広げ、中国の安全を直接脅かした。
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