上記で言及しているように、徳や才能を備えることが「競争力」であるなら、「美しい容貌」も同じように「競争力」の一つとなるのではないだろうか。徳や才能を備えている人が良い仕事を見つけやすいというなら、容貌が美しい人も、雇用者に好まれてしかるべきなのではないだろうか。単に「見た目で人を判断する」のはもちろん間違っているが、容貌が重要な要素となる職業も数多くあることは否定できない。例えば接客業などのスタッフは、客にとって会社の「第一印象」となり、常に客の「目」を満足させなければならない。また、テレビのアナウンサーにしても、もし一般的な容貌の人と美しい容貌の人がおり、2人の資質が同じなら、恐らく後者のほうが選ばれるというのが一般的なセオリーだろう。職場だけでなく、日常生活の恋愛などにおいても、容姿の優れた相手を求めるのではないだろうか。このような状況は、誰しもあることだ。
もちろん、?や才能が競争力になることを否定するわけではない。実際には、業界や企業、職種が異なれば、必要な「容貌」、「徳」、「才能」も異なってくる。接客業に就く女性なら、「徳」や「才能」より、「容貌」を強く求められるだろう。科学研究など多くの職業の場合、「容貌」よりも「徳」や「才能」を強く求められるだろう。これらは社会の理性的な「チョイス」であって、「徳」や「才能」こそが重要だと強調し、「容貌」を追求することを鼻であしらう必要はない。
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