英国紙「フィナンシャル・タイムズ」は22日、「中国、外国好みの価値観消費者の西洋ブランド偏愛が、政府の国内利益促進の努力を無にしている」と題する論考を掲載した。それによると、人口が1千万人を超える四川省成都市の中心部にあるデパート・新世界百貨では、メンズフロアに欧米の二線都市によくあるファストファッションの店が入っている。英語の看板を掲げた、中国ではあまり知られていないブランドたちだ。たとえば「I'm David」はアーバンリゾートファッション、「スコフィールド」は英国トラッド、「マインドブリッジ」などはカレッジ(学生風)ファッションの店だ。こうした店はファストファッション大手のZARAやH&Mとでは競争にならず、ZARAやH&Mは新世界百貨の近くにそれぞれ専門店を構えている。「環球時報」が伝えた。
中国政府が消費を喚起して巨額の投資に依存する経済の調整をはかろうとする今、こうした「二線都市ブランド」の存在が中国の直面する問題やチャンスをまざまざと浮かび上がらせている。中国の消費者は外国製品を買いたいと思っているのだ。ある調査によると、運動靴から自動車まで、テレビも携帯電話も、化粧品やオムツに至るまで、中国市場では海外ブランドが主導的な地位を占めている。ある業界関係者の話によると、中国では、海外製品はきちんと製造され工程の手抜きや材料のごまかしがないと信じられており、国内ブランドではなく海外ブランドを伝統ある老舗と考える人が多い。
中産階級がますます増え、必需品以外の消費が伸びる中国で、こうした傾向があることは非常に厄介なことだ。中国人の購入する外国製品が増えれば増えるほど、中国の発展が外国企業に多くの利益をもたらす一方で、中国企業がイノベーションや技術への再投資に回す利益が減っていくからだ。
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