安倍政権は6日、自衛隊の「暴走」を防ぐ「文官統制」を、防衛部門内で廃止することを閣議決定した。安倍政権は法的レベルから自衛隊の国内外の軍事活動の規制を緩めると同時に、組織レベルから自衛隊の手綱を一本また一本と取り外している。歴史認識が懸念されている自衛隊が、手綱を取り外され狂奔する危険性が現実化している。
文官統制は、日本の軍隊の特殊な歴史、および日本国憲法の平和の理念に基づくものだ。日本は戦後、軍隊の「暴走」の教訓を汲み取り、文官統制を制定した。文官統制の廃止は、軍官が自衛隊の方針を決める中心的な勢力になり、日本の軍事政策の決定と推進を担うことを意味する。
これまでの自衛隊の歴史を見ると、自衛隊の高官は文官と比べ、危険な歴史観・憲法観・戦争観を持っている。その例を挙げていこう。
陸自・海自・空自の10人の高官は1963年、日本を再び軍国体制に転向させる有事立法、いわゆる「三矢研究」を進めた。この情報が明るみに出ると、参与者は機密漏洩の責任追及のみの処分となった。自衛隊統合幕僚会議議長の栗栖弘臣氏は1978年、憲法が規定する専守防衛の国策を疑問視する一連の文章を発表し、波乱を巻き起こし辞任した。自衛隊の一部の軍高官は2004年に連名で、集団的自衛権の行使を容認し、国防軍を設立するよう提案した。航空幕僚長の田母神俊雄氏は2008年、侵略の歴史を否定する文章を発表した。田母神氏はその後、極右色を持つ政治活動に従事し、自衛隊元幹部から支持を得た。