さらに深刻なことに、自衛隊の歴史認識は個別の問題ではない。靖国神社の刊行物によると、自衛隊は侵略戦争を美化する靖国神社の遊就館の見学を、「歴史教育」の科目としている。靖国神社の春・秋季例大祭で毎年、制服を着た自衛官の集団参拝を目にすることができる。
安倍首相の再任後、歴史修正主義が日本で横行しており、侵略を美化し、軍備をそそのかす論調が浮上している。一部の自衛隊OBは、右翼・保守的論調の指導者になっている。
日本共産党の『しんぶん赤旗』は、防衛大学校で必修科目となっている『防衛学入門』の中で、甲午戦争(日本名・日清戦争)から太平洋戦争に渡る侵略戦争が「自衛を基本とする」と定義されていたことを暴露した。興味深いことに、この教科書は第1次安倍内閣の政権運営中に編集された。このようにして育成された自衛隊が、どのような歴史認識を持ち、戦争を反省しているのかは想像に難くない。
これまで、文官統制を脅かす自衛隊は「下克上」のような立場であったが、安倍政権が発足すると両者は意気投合した。日本国憲法によると、首相は自衛隊の最高指揮官だ。安倍首相による「暴走」のリード、歴史修正主義と軍事大国主義の二つの駆動力を得た自衛隊は、手綱を取り外さざるを得ない。また集団的自衛権の行使を含め、当時の「三矢研究」で取り上げられた多くの安保法が、安倍首相によって次々と制定されている。
今年は日本の敗戦70周年だ。国際社会が警戒を緩めれば、2015年は自衛隊の「暴走元年」になるだけでなく、安倍首相が率いる日本の「暴走元年」にもなる可能性がある。正確な歴史観の欠如を背景とし、その危険性がさらに高まっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」
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