米国のジョン・ケリー国務長官が週末に訪中し、習近平国家主席と李克強総理が会談に応じた。中米双方は、深いレベルの意思疎通を実現した。「環球時報」が伝えた。
中国国営通信は、習主席がケリー長官と会談した際の談話を発表した。この談話は、中国の首脳の視野と戦略的な高みを示している。また両国の食い違いの処理、中米新型大国関係の間のつながりをいかに捉えるかに対しても、重要な啓発の意義を持つ。
米国メディアの多くは、ケリー長官が今回の訪中で、中国の南中国海の島や礁における建設活動に関する譲歩を引き出せなかったことを批判している。ケリー長官の訪中前、米国は中国に一連の強硬な姿勢を示した。米国防総省は中国が工事中の島や礁の12カイリ内に、軍艦と軍機を進入させる可能性があると表明した。米国の高官は、ケリー長官が中国に対して、南中国海の航行の自由を表明すると話していた。
しかしこれらの情報は、双方のプレスリリースの中でそれほど取り上げられなかった。双方が公式発表した談話は、積極的な調子に満ち溢れていた。ケリー長官は中国メディアの取材に応じた際に、「中国が世界最大の経済体になることを歓迎する」と表明し、米国がアジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設に反対していることは「誤解」であると強調した。
一部の人は、中米双方が非公式会談の中でより多くの話をしていたとするならば、ケリー長官は中国が中米関係を重視しているというメッセージを受け取り、さらに主権問題で譲歩に応じない中国の確固不動の態度を理解したはずだとしている。
中国の複数の戦略研究者は、現在の中米関係は依然として「全体的に安定」と評価できると判断した。両国は互いに強硬な姿勢を示す負のスパイラルに陥っておらず、強い言葉により相手側の意志を探るのは時宜にかなっていない。南中国海は中米関係の幅広い内容の一部にすぎない。両国は幅広い共通の利益を持ち、成果を手にし続けているこの大国関係を台無しにするつもりはない。
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