カーター長官は中国に対して「強制的」手段で問題を解決しないよう要求する一方で、米側が軍事的プレゼンスを拡大して南中国海問題に対処することを提言した。カーター長官は、米国防総省が「東南アジア海上安全保障イニシアティブ」を発表し、議会も海上能力建設に4億2500万ドルを拠出することを明らかにした。カーター長官はさらに米国は「同盟国やパートナーと常に共にあり」、地域における同盟関係の役割を強化すると強調した。この前後の言動の食い違うやり方は、米軍が中国に対する防備と警戒を高めていることの反映だ。
さらに危険を招きうるのは、米軍が南中国海での巡航を継続していることだ。最近、米国の沿海域戦闘艦が巡航を行い、偵察機も中国の南中国海の島や礁の上空を飛び越えた。カーター長官の発言は中国に対する米側の不法な接近偵察に「正義」の隠れ蓑を与えるものだ。
中米関係の大局から見て、南中国海問題はたとえどんなに複雑でも、中米にとって乗り越えられない障害ではなく、中米関係に影響を与える1つの要因に過ぎない。現時点で南中国海問題は両国の関係発展、協力展開に影響を与えておらず、新型の大国関係の構築という両国共同の決定を阻んでもいない。
米軍側は南中国海への介入を深める事に執着して、地域の平和・安定というより高いレベルの目標をおそろかにしている。南中国海を乱すのは各国の利益にならないということを知る必要がある。米軍側の無責任な挙動は中米関係の大局にも災いを及ぼす。今年両国関係は良好なスタートを切り、双方は踏み込んだ交流と協力という目標を打ち出したのであり、本来、互恵・ウィンウィンの局面を一層築くことができる。もしどうしても南中国海問題を中米関係の主要な位置に据えようとするのなら、小事にこだわって大事を失い、得るものよりも失うものが大きくなる結果を招くだけだ。
「人民網日本語版」
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