▽主導権握り、技術力で発言権を獲得
青島海信電器株式有限公司の曹建偉副総経理は海信の技術研究開発のそもそもの狙いを、「テレビに真剣に取り組み、顧客によりよい体験を提供する」ことだと説明する。
2011年に日韓企業が相次いでOLEDテレビ(有機ELテレビ)のサンプル機を相次いでうち出した時には、「夢のディスプレー」だと言われ、中国企業には災難だとみなされた。曹副総経理は、「普通の液晶テレビは3大部品であるディススプレー、チップ、バックライトのモジュールで構成されるが、OLED技術ではすべての画素が自ら発光するのでモジュールは必要ない。これはつまり、OLEDが普及すれば、弊社のバックライト技術は必要なくなるということ、コア部品はすべて海外企業に抑えられているので、われわれは土台を作ってそこに自社のシールを貼ることしかできなくなるということだった」と話す。
海信集団有限公司の周厚健董事長(会長)は当時、「OLEDよりもディスプレー性能に優れたテレビを開発しよう」と呼びかけた。
海信は技術専門家チームを作り、研究開発に専念させ、170件を超える技術特許を取得し、ULED技術を極めた。曹副総経理によれば、「ULEDの中核は低コストで消費者に『夢のディスプレー』と同じような視覚効果を提供することにあり、世界の画質技術の流れの中で主流になった」と話す。
海信はどうしてトップクラスに入れたのかという疑問に対し、曹副総経理は、「成功に近道はない。われわれは早くから研究開発に取り組み、長い時間をかけて技術を蓄積しており、さらに多くの技術者からの支援があった」という素朴な答を出す。
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