○インドネシア
今年10月、日本が4年前にフィージビリティスタディを終わらせていたインドネシア高速鉄道プロジェクトを、後から参戦した中国企業が奪い取った。中国案が「唯一の選択肢」となるまでの過程は紆余曲折に満ちていた。勝因は、中国の強大な財力と魅力的な投資条件だ。
インドネシア・ジャワ島の高速鉄道プロジェクト入札において、中国企業はインドネシア政府の財政負担や債務保証を伴わない計画を提出した。インドネシア側によると、中国案では融資の保証が必要ないほか、工事期間も日本の計画より短かったという。このほか、中国案は合弁経営モデルを選択し、高速鉄道技術のインドネシアへの移転や現地生産を承諾した。こうした「技術を以て市場と交換する」やり方は、自国の製造業レベルを高めたいジョコ政権にとって魅力的に映ったのだろう。
共同通信社は「インドネシア・ジャワ島の高速鉄道プロジェクト入札において、中国は強大な財力を背景に、インドネシアの国営会社と提携する計画を提出して受注を獲得した。一方の日本は車両価格が割高で、技術面の強みばかりを強調する従来のやり方では立ち行かなくなった」と自省気味に報じている。
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