◆ フィリピンAPEC今年のAPECはフィリピン各地で行われ、すでに貿易担当大臣会合、財務大臣会合、エネルギー大臣会合等ほとんどの会議は終了していて、今回のマニラでの首脳会議が今年最後の会議となる。
今回のテーマは「包摂的な経済の構築、より良い世界を目指して(Building Inclusive Economies, Building A Better World)」で、優先事項・主要論点としては、①地域経済統合の強化(Enhancing Regional Economic Integration)、②中小企業の地域・グローバル市場への参画強化(Fostering SME’s Participation in Regional and Global Markets)、③人材開発への投資(Investing in Human Capital Development)、④持続可能かつ強靭な地域社会の構築(Building Sustainable and Resilient Communities)が挙げられている 。
地域統合に向けては、FTAAP実現に向けた取り組み、多角的貿易体制の支持、グローバル・バリュー・チェーンの発展・協力、経済及び構造改革といった域内の貿易体制の新たな枠組み作りが主題となっている。中小企業の市場参画や人材開発、さらには持続可能な地域社会の構築を巡っては、域内の将来像を見据え、今から域内経済の活性化を図ろうとする意図があるように思われる。 19日のAPEC首脳会議での閉幕に当たり、どのような首脳声明が採択されるか発表されるまでは分からないが、原則的には閣僚会議での成果を踏襲するものになるだろう。
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