▽オーストラリア・シンガポール市場で活発な取引
2015年第3四半期、オーストラリア市場では合わせて14件のホテルの取引があった。オーストラリア本土と海外の投資家は今年、同地のホテル市場に高い自信を保っており、シドニーやメルボルンなどの主要都市だけでなく、ダーウィンやケアンズ、パースなどの地方市場も活発な動きを見せている。オーストラリア政府は、アジアとの隣接という地理的な優位性を十分に生かし、北部地域のインフラ改善に力を入れている。
サヴィルズの分析によると、中国人観光客は、オーストラリアの観光業にとっての主要な旅客源であり、オーストラリアのホテル市場は中国に大きく依存してる。中国経済の鈍化は、ホテルのステークホルダーの不安につながり得る。だが売却を待つ資産が少なく、ホテルの業績も好調なオーストラリアは、投資の「安全港」と呼ばれており、投資の意向は今後も高いレベルを保つ見込みで、とりわけ地理的な優位性を持つアジアの投資家の人気は根強い。
ニュージーランドでは3件の取引が成立し、取引総額は2640万NZドル(約1700万ドル)で、アジア太平洋地域の取引総額の1.0%を占めた。
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