中日印の三角関係は、安倍首相が願うような「孫権と劉備で曹操に対抗」という局面を形成することはない。日本が民主主義国という価値観の旗印を掲げようと、米日豪印の「安全保障ダイヤモンド」を強調しようとも、インドは日本をいい加減にあしらうだけだ。インドには自国の野心があり、一部の国や国家集団の従属国になるのではなく、大国における重要な一極になろうとしている。
インドの高速鉄道に話を戻すと、インドはインフラ整備が遅れており、インドの経済発展を妨げる弱点になっている。そのためインドは中日両国の高速鉄道を巡る駆け引きで、自国に有利な条件を提示されるのを待つことができる。インドは条件が有利であり、特に投融資面で大きく譲歩した国を選択する。しかしインドは自国の膨大なインフラ整備のパイを、一国だけに委ねることはない。インドという象は中から優れているものを選択し、中日の間でバランスを図る。中印の鉄道協力プロジェクトにも多くの進展がある。中国はインドの既存の鉄道の速度向上を支援し、インドの鉄道技術者の集中的な研修などを行っている。
さらにインドは中日両国との高速鉄道の協力を通じ、それぞれの優れた技術を身につけ、自国の高速鉄道技術を発展させる可能性が高い。新興国のインドは近い将来、世界の高速鉄道市場で、技術輸出の新たな競争者になるかもしれない。
中日両国のインドとインドネシアの駆け引きで、双方に得失があったのは当然だ。中日両国の高速鉄道技術は、世界的な競争で今後さらに真っ向から対立する。駆け引きのほか、中日両国は協力とウィンウィンを実現できるだろうか?これは中日両国の政治家と経営者が考えるべき現実的な問題だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」
|