【米国:抱き込みのカード】
米国は朝鮮半島情勢の緊張の機に乗じ、短期的な戦略的利益を得ようとしている。
米国は「朝鮮の脅威」を口実に、北東アジアの軍事配備を急ピッチで進めている。さらに韓国の焦燥を利用し、韓国でのTHAADミサイルの配備を推進している。
同システムの機能が朝鮮半島の防衛の需要をはるかに上回り、中露などの戦略的な安全の利益を直接損ねることは、目の利く人ならばすぐに分かるはずだ。中国の王毅外相がケリー米国務長官に対して、米国は慎重かつ温厚に行動すべきだと面と向かって言ったのも無理はない。
米国の「悪巧み」は、いわゆる朝鮮に対する「戦略的忍耐」という方針に隠されている。体裁よく言えば、これは朝鮮に対して絶対に譲歩しないという方針だ。しかし米国の専門家でさえ、この方針は朝鮮の核問題を解決するものではなく、これを利用し自国の戦略的な私心を実現するものだと直接批判している。
専門家は「抱き込みのカード」を切る米国の今後の動きについて、「朝鮮を刺激する動きにより、韓国を隣国の中露から切り離し、自国に抱き込もうとしている。THAADの配備、韓国を米国のミサイル防衛システムに抱き込むといった手段により、米日韓版の『小NATO』を形成し、米国の地域における軍事的な優位性と主導的な立場を確保する」と分析した。
しかしこれは明らかに朝鮮の核問題の解決、地域の安定にとって不利だ。長期的に見ると、米国にもたらされるのは恐ろしいリスクだけだ。朝鮮が本当に「ワシントンを火の海にする」かはさておき、朝鮮半島が衝突勃発の臨界点を超えてしまった場合、米国は大きな犠牲を強いられることになる。
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