このような状況から出発し、我々は、歩行者の赤信号時の横断に対する処罰も考える必要があるのではないか?強調したいのは、これに関する違反行為を、罰金で片付けるだけでは済まさず、歩行者の安全に対する意識を強化するための教育を強化し、全国民の「安全な外出」という雰囲気を形作ることが、より大切だという点だ。蘭州市内の多くの交差点には、交通整理担当警官が配備されている。「赤信号なのに渡る」歩行者がいれば、担当警官は警笛を鳴らして阻止する。多くの歩行者は、周囲の眼もあり、やむなく赤信号に突進する足取りを止める。
「運転している時は歩行者を罵り、道を歩いている時はドライバーを罵る」。自動車時代の到来に伴い、歩行者と自動車の確執は深まるばかりだ。歩行者が自身の身の安全に対する意識を高める以外に、歩行者にとって安全な外出環境を整えることも、いっそう不可欠な課題となっている。
一部の都市では、歩いて外出すること自体が、「大変危険なこと」になってしまった。自転車用道路は、事実上の自動車用道路になり、歩道は自動車の臨時駐車スペースと化している。信号が変わる間隔があまりにも短く、歩行者が渡り切らないうちに信号が赤になる。従って、ある意味、歩行者の「赤信号なのに渡る」行為は、客観的に見た場合、都市交通の計画・管理体制の欠如によってもたらされた現象といえよう。
記者が小さい頃、「マナーを守って道路を横断しよう。安全はみんなのもの」という交通標語があった。しかし、その後数十年経った今でも、この標語を実現することが難しい状況は変わらない。しかし、我々は皆、「ひとりひとり」が始めの一歩を踏み出し、新しい「中国式道路横断」が「安全通行の代名詞」となる時が近く訪れることを望んでいる。
「人民網日本語版」
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