長期的虐待を受けてきた子供たちは、戦いを止めなかった。彼らは連名で、ときの千葉県知事である沼田武氏に手紙を書き、施設内の真相を知らせ、救いの手を求めた。しかし外の世界が美しいのは見た目だけだった。知事の返信は杓子定規なもので、「私とともに明るく豊かな千葉を作りましょう」といった内容だった。千葉県庁も「権限がない」との理由で、この子供たちに対し、見て見ぬふりをした。
子供たちはそれでもあきらめず手紙を書いた。市民に向けて、人間らしい待遇を受けられるように訴えたのだ。1999年9月、日本のテレビ局が「恩寵園」の虐待事件をとりあげた。これにより、日本にもこのような恐ろしく異常な世界が残っていることが、全国の人々に知れ渡った。
2000年になると、世論に動かされた警察が調査を始め、ついに長年にわたって子供を虐待してきた「恩寵園」の園長とその子供が逮捕された。園長は傷害罪で懲役8か月、その子供は強制わいせつ罪で懲役4年の判決となった。
「児童福祉法」が2009年に改正された。児童保護施設内の暴力と猥褻行為が初めて「虐待」と定義され、また目撃者は警察に通報しなければならない義務が設けられた。しかし2011年度の日本の児童施設内の虐待事件の数は2010年度のそれを上回っている。日本社会よ、いつになれば子供たちを救えるようになるのか。(蒋豊)
「中国網日本語版(チャイナネット)」
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