(編集者注:ロシア、モンゴル国、中央アジア5カ国などを含むアジア・欧州地域は中国の隣国だ。2013年のこれらの国々の情勢はどうなるか。これについて、新華社『国際観察』コラムは、本社のアジア・欧州支社の張鉄鋼社長にインタビューした。
『国際観察』:2013年が間もなく到来するが、新しい年にアジア・欧州地域の政治と安全面で最も注目すべき点は何か。
張鉄鋼氏:まずは、世界、特にアジア・欧州地域の大国のひとつであるロシアがプーチン大統領の提唱する強国戦略を実施することで、大きく進展できるかどうかが注目される。特に、極東の開発、国家経済の現代化の実現、独立国家共同体との一体化の強化、東への外交進出が期待される。
次に、モンゴル国、中央アジア五カ国、南コーカサス(グルジア、アルメニア、アゼルバイジャン)の3つ地域が安定を維持できるかが注目される。この3つ地域は近年、米国の影響が浸透し、色濃くなってきている。これらの国のうち、政局に不安定要素を抱える国もある。例えば、アルメニアとアゼルバイジャンは、大統領選挙を控えている。依然として、「3大勢力」の脅威にさらされている国もある。
また、白ロシアとウクライナ情勢は微妙で、白ロシアは以前から西側諸国の封じ込めに遭い、ウクライナは西側諸国と次第に疎遠になっている。米国を中心とする西側国家はこの2カ国への敵意をますます顕にしている。
『国際観察』:新年にかけて、独立国家共同体との一体化の見通しはどうか。
張鉄鋼氏:ロシア、カザフスタン、白ロシアは、厳密に言えば、「3人の剣士」だ。これらの国が結成する関税同盟と統一経済の空間は、さらに発展し、一定の影響力を形成するが、独立国家共同体地域全体の一体化に大きな進展は見込めない。
ソ連の崩壊後、ロシアの戦略空間は、西側諸国が絶えず押し寄せ、北大西洋条約機構(NATO)の最前線がロシア国境へと東進している。ロシアは再び勢力を拡大するため、一貫して独立国家共同体との一体化の推進に努めている。しかしながら、独立後の独立国家共同体は各国に「血縁関係」があるとはいえ、国情と利害関係が各国で異なるため、各国間、特に一部の国とロシアとの間で意向が一致しておらず、摩擦さえも生じている。
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