10兆ドルとはドイツの国内総生産(GDP)の約3倍で、これは今後5年間にわたる中国の輸入額だとのことだ。習近平中国国家主席が少し前にボアオアジアフォーラムでこの数字を宣言した際、国際オブザーバーたちはその重要さをよく分かっていたという。グローバル貿易構造とゲームルールが激変に直面する当面の下、この切り札を持つ中国は世界の大局面の中で前進するのか、それとも後退するのか。
対外貿易の規模から見ると、中国はここ数年グローバル貿易のシェアの段階で絶え間なく上昇している。初歩的な統計では、2012年、中国はすでに米国を上回り、3兆8700億ドルで全世界の商品貿易総額のランキング1位に位置した。同時に、中国は多角・2国間交渉に積極的に参与し、国際貿易の舞台での発言権がしだいに増大している。しかし、ある専門家は、激しく攻防する21世紀の国際貿易ルールの策定権の戦場で、中国はかえって巨大な挑戦に直面し、ひいては非主流化とさせられる危険を備えているとみなしている。
最大の圧力は米国からやって来るだろう。ドーハ・ラウンドの膠着状態は解きにくく、世界貿易機関(WTO)の勢いが弱まる状況の下、米国は世界第一の経済体として、現在『環太平洋戦略的経済連携協定』(TPP)と『環大西洋貿易投資パートナーシップ協定』(TTIP)を2大支柱とし、太平洋と大西洋の両方の翼で、米国主導の21世紀のグローバル貿易における新構造を構築中だ。
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