米国のアシュトン・カーター国防長官は最近、中国に南海の島や岩礁での建設活動を中止することを求め、米軍の艦船・航空機による同海域のパトロール実施を続けることを宣言するなど、まれに見る強硬姿勢を見せている。南海問題についての米国の一連の挑戦的な言論に対し、中国外交部は、じっくり考える価値のある2つの回答を示している。一つは「中国の島嶼に近付き偵察をはかる米軍機の行動は、誤った判断と海空での突発事件を引き起こす可能性が極めて高く、非常に危険で無責任なものだ」、もう一つは「国家の主権と領土の完全性を守る中国の意志は固い」というものである。(文:羅援・中国戦略文化促進会常務副会長兼秘書長)
前者は、米国がもしも挑発行為を抑制しなければ、中米は南海で偶発的な衝突や小規模な武力衝突を起こす危険があることを指摘している。後者は、権益維持への中国の意志は揺るぎなく、絶対に妥協しないことを意味している。もし問題が起こり、互いに譲れない状況が発生して、武器をもって相まみえるようなことになれば、米国はこれに耐えることができるのだろうか。カーター国防長官は次の10の試練に直面している。
(1)戦争は政治の継続である。南海の政治的局面は、米国と中国が対決しなければならないレベルに達していると言えるか。米国の核心利益は南海において根本性なダメージを受けているとは言えない。米国の兵隊を他国に送って犠牲にする必要があるのか。米国の民衆にはそうした準備はあるのか。
(2)中国と勝負を決することになったら、米国は絶対に勝てるという自信があるか。中国の軍隊は、近代戦とりわけ情報化された局地戦に勝つため、装備と戦法を含む軍事闘争の準備を常に行っている。中国の「ホーム」での戦争となれば、中国の多くの劣勢は克服される。米国にとっては「アウェー」であり、多くの長所も劣勢に変わってしまう。過去の経験を忘れるべきではない。
|