
(3)一万歩譲って、米国が特定の偶発事件において運良く勝ちを収めたとしても、中国がその結果をそのまま飲むことはない。米国には、衝突のエスカレートや長期作戦への準備はあるのか。
(4)中米の対決は、世界の局面をシャッフルすることを意味する。各種の力が再編され、関連する国家や利益集団が立場を選び直すような複雑な局面に、米国は対応できるのか。
(5)中米新型大国関係の核心は、相互尊重・非衝突・非対抗にある。中国はそのために誠意を尽くしてきた。だが米国が一方的に中国の核心利益に挑戦し、安全に対する中国の配慮を無視するなら、その大係は致命的に傷付けられ、中米の協力は対抗へと変わる。米国の国家利益にとって利益と言えるか。
(6)中米の経済利益は融合が進んでおり、互いの中に深く食い込んでいる。中国の利益を損なうことは米国自身の利益を損なうことである。中国の経済的なカードは米国よりも多い。無責任な政治屋がもたらす代価を米国の民衆が受け入れるだろうか。
(7)民意はプラスにもなればマイナスにもなる。中米が南海の海上で摩擦を起こせば、両国の民意は、1999年の(ユーゴ)中国大使館爆破事件や2001年の軍機衝突事件の谷間にまで落ち込み、その修復は困難となる。中米関係に対するダメージは大きなものとなる。
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