第二の理由は緊急処置の違いである。吉林の爆発事故では経験不足から対応が消火活動のみに限られ、環境保護問題が置き去りにされていた。その結果、汚染水が松花江に流れ込み、深刻な汚染問題につながった。これに対し天津の事故では、関連部門がただちに大量の人員と物資を投入し、各方面での汚染防止対策を実施した。化学専門部隊の投入によるシアン化ナトリウムの収集、オキシドールの噴射によるシアン化ナトリウムの毒性の減少、土手による汚染物の拡散防止などである。
したがって今回事故では、松花江の水質汚染事件のような大規模で長期間にわたる環境汚染は起こらないと思われる。
報道によると、シアン化ナトリウムの保管場所は15日に確認されており、それが浸透したとみられる土壌についても特殊部隊によって回収されている。またその収集データからは、同物質の広範囲な流出は認められていない。
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