広大な歩み寄りの余地
実際、世界経済が低迷している今日、もし中日両国が互いに歩み寄れるなら、必ずいっそう美しい未来を共に築き上げられるだろう。双方が既に持っている経済貿易協力の基礎はひとまずおいて、観光についてだけ語れば、昨年は中国大陸で500万人近くが訪日し、「爆買い」は日本の流行語になった。この現象は、中日間の経済と人々の交流には広大な空間があることを示している。また経済貿易面の交流は中日関係の基礎を保つ役割を果たせる。
単なる経済効果よりもさらに重要なのは、日本旅行によって非常に多くの中国人が初めて身をもって日本社会を体験していることだ。過去1世紀の中日交流の歴史において、これほど大規模な人々の移動はなかった。これは民衆レベルでいっそう全面的で客観的な日本観を形成するのに役立つだろう。そして、国民レベルの理性的な感想は必ず政策の形成にも積極的な役割を果たすだろう。
歩み寄りについては、中日両国のメディアも各自の職責を受け持つ必要がある。日本では、一部メディアの扇動的な報道スタイルと中国への色眼鏡がかなりの程度、日本の人々の中国観に影響を与えている。もちろん、中国でも一部メディアが市場の利益や「人目を引きつける」といった動機により、刺激的で衝突をあおる報道に偏り、中日関係に対する一部の受け手の非理性的な認識をもたらしていることは否定できない。もしこうした局面を変えられないなら、人々の相互信頼の迅速な回復は望めないだろう。
中日関係についていえば、政治面の意思疎通や事務レベルの危機管理、経済貿易分野の協力、人と社会文化の交流は全ていま推進できる作業だ。このほか中国についていえば、中日関係を促進するには国内の発展をうまく進めなければならない。中国に向けられている日本の懸念の背後には、一方では中国の発展後の方向に対する不信感があり、もう一方では中国の発展が「長期的、安定的、持続的」であり得るかどうかという不信感がある。もし中国が長期的かつ安定した発展を保つことができ、経済社会が前進する中で遭遇するさまざまな問題をさらに解決できるなら、日本側の「疑念派」をいっそう冷静で理性的に中日関係に対応するよう仕向けられる。反対に、もし中国の発展が困難にぶつかれば、日本国内には再び中国に対する不健全な雑音が現れるだろう。
中日両国は引っ越しようのない隣人で、互いの重要な経済貿易のパートナーだ。人々の堅実な交流の基礎があり、いわゆる「協力すれば双方に利益があり、争えば双方が傷を負う」という関係だ。もし中日間の矛盾が激化し、対立が激しくなれば、最終的に利益を得るのはおそらく地域外の大国になるだろう。中国語にも日本語にも「漁夫の利」の故事がある。新春の到来に際し、両国は十分な知恵を持って、二国間のムードにいまも残る寒けを追い払い、両国の交流を正しい軌道に乗せ、中日関係の真の回復と発展を実現するべきではないだろうか。
人民中国インターネット版
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