静かな安丘市青雲山民俗遊楽園の年画館に、張殿英さん(76)を訪ねた。初対面だが、初めてという感じはしなかった。というのも20年前に、民間年画の記事を書くために張さんの著書を参考にしたことがあるからだ。彼の上品さや親切さに敬愛の念を覚えた。
“農家楽”絵巻の一部。春節前に市で年画を買い求める場面
“農家楽”絵巻の一部。楊家埠村の人々は年画制作に大忙し
張さんは1936年に安丘のある小さな村に生まれた。幼い頃、祖父は一家の生計を助けるため、冬になると木版年画の商売をしていた。張さんは幼い頃から年画を模写していて、小学校の頃には県の美術展覧会で彼の年画作品が受賞したこともある。1958年、彼は山東師範学院を卒業し、中学校の美術教師となり、生徒の年画創作活動を指導した。彼は年画制作の職人からその技を教えてもらい、下絵の作成、版木の彫刻、印刷など木版年画制作に必要なすべての技法を身につけた。
1969年、張さんは山東省教育庁の教材編纂チームに入り、『山東省小中学校美術教材』を編纂し、濰県年画を教材に組み入れた。1980年に濰県年画研究所に入り、“楊家埠年画”をテーマに、国家レベルの権威のある刊行物や『中国民間美術全集』に20以上の文章を発表、『楊家埠木版年画』などの年画集を出版した。それによって“楊家埠年画”がますます人々に知られるようになった。