1998年、張さんはふるさとの青雲山民俗遊楽園に戻り、年画館を設立した。さらに源流から“濰県年画”(楊家埠より広い範囲)の技法と概念の収集、整理および復活に取り組んだ。長年にわたって伝承が途絶えていたいくつかの技法の印刷実験に成功し、系統的に古い年画の印刷・制作技術を復活させた。また、14巻の『山東濰県年画』を整理・印刷し、“年画道具百宝箱”を設計・製作した。さらに、木版年画“たこの都の春”“楊家埠民芸図誌”“農家楽”の創作を完成した。
張さんは助手に長い年画の絵巻物“農家楽”を広げさせ、見せてくれた。張さんの一生の芸術的蓄積が凝縮されたこの32メートルの巻物は、彼が原画を描いて、息子の張運祥さんに531枚の版木を彫刻してもらい、水性顔料で一枚の長い紙に手作業で印刷して仕上げたものだ。千にものぼる生き生きとした昔の人々が表現され、流暢な輪郭線と美しい彫刻が人を驚嘆させる。“双喜臨門(二重の慶事が訪れる)”から“閙新春(賑やかな新春)”まで、その年画から、昔の山東農民の四季の労作、遊楽、祝祭行事などがうかがえる。春には、結婚と出産、畑起こしと種まき、清明節のピクニック、墓参り、たこ揚げなどの光景が描かれている。夏には、桑摘み、蚕飼い、糸繰り、雨ごい、龍船レースなどの場面が描かれている。秋には、乞巧(七夕)節、中秋節の月見、重陽節の山登り、菊鑑賞、詩作、秋の収穫、脱殻、倉庫入れなどが描かれている。冬には、精米、製粉、家畜の飼育、芝居の鑑賞、市の見物、10月の年画制作などの内容が描かれている。2006年9月、“農家楽”は北京の中華世紀壇世界芸術館で展示され、のちに中国国家博物館に収蔵された。
張さんは高齢だがなおかくしゃくとしており、常にパソコンの前で、資料の検索や整理を行ったり、年画の見本を整理したり、年画関係のウェブサイトを管理したり、ネット上で友人と年画の知識や作品について交流したりしている。また、木版年画の保護、伝承、発展をめぐる提案にも精力的に関わっている。
「人民中国インターネット版」