チャン・イーモウ(張芸謀)監督“金陵十三釵”(英語題:The Flowers Of War)
北京師範大学の中国文化国際伝播研究院はこのほど“シルバーブック:2011中国映画国際宣伝研究年度報告書”を発表した。それによると33%以上の外国人は中国映画について全く知識がなく、32.3%の英語を使用する外国人は“一度も中国映画を見たことがない”という。これを受けて、最近、中国の有名な映画批評サイトや中国メディアでは、“いかに中国を世界に伝えるべきか?”について熱い議論を繰り広げている。
昨年11月にフランスのストラスブールで開催された第1回クリスタル・ルージュ中国映画国際映画祭の選定委員会は、現代の中国を描いた多面的な映画をフランスに送り込むため、中国で人気を集めた大作映画ではなく、あえて“劇外人生”、“以降の以降”、“康定情歌”、“三人のシングルマザー”などの低予算映画18作品を選定した。
欧州・中国現代アート・文化国際協会やフランス映画批評家協会、中国映画芸術家協会などが共同主催するクリスタル・ルージュ中国映画国際映画祭の映画祭実行委員会主席の于憲光氏によると、選定された映画はいずれも、欧州の観客向けに製作されたものではなく、中国人の楽しみや自我、希望、感情を込めた中国大陸部の観客向けに製作された作品であったという。“これらの映画を通してフランスの観客は多面性に富んだ中国社会を知ることができた”と于氏は語る。
注目すべきなのは、昨年2月に開催された世界3大映画祭の1つであるベルリン国際映画祭で、ワン・チュアンアン(王全安)監督の中国映画“白鹿原”が“金熊賞”に輝き幸先のいいスタートを切ったものの、5月に開催されたカンヌ国際映画祭コンペティション部門のラインナップに中国映画の名前は見当たらず、9月開催のベネチア国際映画祭コンペティション部門でも中国映画はこの10年間で初めて1本も選ばれなかったことだ。