さらに、海外市場でも中国映画にはしばしば赤信号がともされている。ジョン・ウー(呉宇森)監督の“レッドクリフ”やフォン・シャオガン(馮小剛)監督の“ウォーロード/男たちの誓い”(原題:投名状)と“唐山大地震-想い続けた32年-”(原題:唐山大地震)、チャン・イーモウ(張芸謀)監督の“金陵十三釵”(英語題:The Flowers Of War)も海外興行成績は一様に振るわなかった。
ワン・チュアンアン(王全安)監督“白鹿原”
“中国映画”について全く知らない外国の観客、33%以上
中国映画の製作は大きな2つの勢力によって成り立っている。1つは、中国国内市場向けの“商業映画”であり、もう1つは世界的評価によって製作される、“映画祭映画”だ。この2種類の映画は互いに厳格に区別され、大きな違いがある。中国国内の興業成績が6億元(約88億5000万円)を超えた大ヒット映画“唐山大地震-想い続けた32年-”は米国ではわずか約60万元(約885万円)の興行成績しか上げられなかった。中国映画の海外興行成績が振るわないのは、映画の見方に東方と西洋の間に大きな違いがあることを示している。
映画のセラーによると、アン・リー(李安)監督の“グリーン・デスティ二ー”やチャン・イーモウ監督の“ヒーロー”が国際市場で大きな成功を収めた後、多くの中国映画が妄信的にその流行を追った。しかし一連の時代アクションドラマ大作が視覚的インパクトを追求するうちに、中国映画の創造力の欠如も次第に顕在化していった。現在、国際市場で中国映画を高く売ることは、ますます難しくなっている。
北京師範大学の中国文化国際伝播研究院はこのほど“シルバーブック:2011中国映画国際宣伝研究年度報告書”を発表した。それによると33%以上の外国人は中国映画について全く知識がなく、32.3%の英語を使用する外国人は“一度も中国映画を見たことがない”という。中国映画は中国文化を理解するための重要なツールだと考えている外国人は25.9%だった。特に、多くの映画関係者を不安にさせたのは、調査対象者の中で、中国映画はいまだに“カンフー映画”のイメージに留まっており、中国人俳優・監督については、ブルース・リー、ジャッキー・チェン、アン・リー監督、チャン・イーモウ監督以外は聞いたことがないという結果だ。