国家ラジオ映画テレビ総局の統計によると、中国映画の海外販売の特徴として、“海外興行収入”、“連続成長”、“海外主要映画チェーンで配給される映画本数”が共に“少ない”という、3つの“少”現象が見られるという。正確な統計ではないが、2011年に海外22カ国・地域に販売された中国映画55作品の海外興業収入は計20億.4600万元(約301億円)で、2010年の計35億1700万元(約519億円)に比べて42%も減少したという。
外国人が中国映画を見ない最大の原因は“見る機会がない”
現在、中国で毎年製作されている映画は500本以上だが、うち海外市場で配給されている映画は10%にも満たない。世界第3の映画製作国である中国の映画はなぜ世界でシェアを取れないのか?
国家ラジオ映画テレビ総局局長の童鋼氏は“中国映画が国際主要市場に進出するには、まだ力が足りない。強烈な民族色があり、世界各国の観客の好みに合致する中国映画はまだ数が少ない。世界的な映画配信サイトの開設も現在模索中の段階であり、中国映画の国際宣伝力や販売力も相対的に遅れている。これらが中国映画の海外進出を妨げる要因となっている”と分析する。
中国国内で“興業不敗神話”を誇るフォン・シャオガン監督は、第15回上海国際映画祭で“外国人が中国映画を見て理解できないと言ったら、それは外国人が理解したくないと思っていることを示す。なぜなら我々は弱小であり、外国人は我々に関心がないからだ。或いは、外国人は中国の猟奇的な部分にしか興味がないのだろう”と自論を述べ、“中国語は世界的な映画市場の中では『少数民族』の言語にすぎず、外国の観客が見る字幕の翻訳にも困難が伴う。しかし外国の観衆を中国の基準に無理やり適応させたとしても、なおさら外国の観衆の肯定的な評価を得ることは難しい”と中国映画が直面する問題について鋭く指摘した。
“シルバーブック:2011中国映画国際宣伝研究年度報告書”の中には意外な事実も含まれている。外国人が中国映画を見ない原因の中で、“見る機会がない”と答えた人が最も多い点だ。中国映画の配給宣伝を改善しなければいけないと考える人は63.7%にも上る。近年、インターネットなどを通して中国映画を見ることができるようになったが、専門的な翻訳機構と基準がなく、配給宣伝などの問題があるため、多くの外国の観客が依然として中国映画に触れる機会がないままとなっている。