于憲光氏はこの点について“中国経済の急速な発展に伴い、ますます多くの海外の観客が中国の現状に対して興味を持ち始めている。海外の観客に立体的な現代の中国を見せることは中国映画製作者の当面の急務である”と意見を述べた。
政府は中・低予算映画を支援すべき
ストラスブールクリスタル・ルージュ中国映画国際映画祭の期間中、映画が上映されたUGCシネマコンプレックスの約500席の映画館3館は、毎晩、ほぼ満席だった。映画を見に来た観客は、現地で生活する華人や華僑以外に、中国文化や中国映画に対して非常に強い関心を持つフランス人の観客も少なくなかった。
中国映画家協会の許柏林秘書長は映画祭について“以前、フランスの観客が中国映画を見ようとすると、カンヌ映画祭や民間企業が開催する中国映画週間などを通じて見る以外に手段はなく、その影響力も非常に限られていた。ストラスブールは極めて活力と影響力のある都市で、今後ここで開催される中国映画国際映画祭が、中国映画を欧州全体に広めるための非常に効果的な場所となるだろう”と意義を語る。
中国映画の海外推進を手掛ける会社社長の周鉄東氏は、“社会的価値は大きいが、海外に進出する力のない多くの中・低予算映画に対して、政府はバックアップするべきであり、市場に完全にまかせるべきではない”と主張する。“例えばフランスでは、政府の支援がなければ、大部分のフランス映画は自力で海外に進出することは難しい。政府の強力なバックアップがあってこそ、毎年400本以上にも上るフランス映画が海外で配給されている”。
于憲光氏は“中国映画の海外における影響力をさらに一歩高めるためには、やはり版権ビジネスを通して中国映画を正式に海外映画市場に送り込むべきである。クリスタル・ルージュ中国映画国際映画祭は今後も年に1度開催される上、徐々に版権ビジネスを導入する意向だ。映画祭を映画を上映する場所としてだけでなく、中国映画の海外プロモーションを積極的に推進するための、映画ビジネスの場所にするべきである”と述べた。
中国映画の海外プロモーションを推進するため、海外映画祭は映画選定の段階でより一層の工夫が必要となるのは業界内の共通認識である。許柏林氏は映画選定について“国際的に、どのような映画が中国映画の製作レベルを代表するのか、ひとつの明確な基準が必要だ。例えば、中国映画や現代中国社会の精神的な一面を反映させたものであるとか、中国内で上映された際に社会にある一定の影響を与えたものであるとかなど”と語った。(記者:呉暁東)
「人民網日本語版」