■「心のチキンスープ」好きの日本人
一般的に、日本は人権を尊重する社会だと考えられているが、実際にはそうではない。毎朝、日本のデパートの入り口ではお客にお辞儀して歓迎の言葉を述べる店員が見られるが、これはマルクスが批判する「人の物化」であり、人を物として使うのであって、これは人類の尊厳に対する侵害なのだ。
日本ではこれを批判する人は少ない。皆「心のチキンスープ」の信奉者だ。知識人の責任は不足を指摘し、誤謬を正すことである。「心のチキンスープ」も時には必要だが、多すぎるのはよくない。例えば福島原発の事故以来、日本のテレビ局ではこうしたエピソードが注目されている。仮設住宅ではイヌが飼えないため、生き延びたイヌは車で6時間離れた場所で集中的に飼われ、被災者はイヌの好きな食べ物や玩具を持って毎週車でイヌに会いに行く。
こうして見ると心温まる話しだが、被災地で車で12時間かけて往復する資源があったなら、いったい何人の命を救うことができるだろう。
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